先ず、モダン・ラヴァーズというバンドについて。
バンドの中心人物、ジョナサン・リッチマンはベルベットアンダーグラウンドに夢中になり、高校卒業後に、ニューヨークに行き、個人的にバンドと知り合いになり、ベルベットのマネージャースティーブ・セスニックの家に居候、ソファーで9カ月間過ごし、バンドの構想を練ったという。その後、故郷のボストンに戻り、幼なじみのジョンフェリーチェ(ギター)とともに、ベルベットをモデルにしたバンドを編成。ドラマーのデビッド・ロビンソン(後にザ・カーズ)とベースのロルフ・アンダーソンが入り「The Modern Lovers」と名付ける。1971年の初めに、アンダーソンとフェリーチェが抜け、学生ベーシストのにアーニー・ブルックス、キーボードにジェリー・ハリソン(後にトーキング・ヘッズ)が入り、モダン・ラバーズのクラシックなラインナップが完成する。ライブ活動を中心に人気を集め、ワーナーやA&Mなど大手レコード会社が接近、いくつもレコーディングをしたのにも関わらず、1976年までレコードとしては1枚も発表されることはなかった。しかもその最初のレコードが発売された時点で、既にModern Loversは解散していた、という話。
1976年、パティ・スミスやラモーンズなど、ニューヨークパンクが大頭しはじめている時期で、セックス・ピストルズも後で本曲”Roadrunner”をカヴァーするなど、早すぎた伝説のパンク・バンドという事のようだ。
実際、自分がこの曲を始めて聞いたのは最近で、SpotifyのデイリーMixからだった。
なんだかブルーハーツみたいだな、というのが第一印象。そう、自分は邦楽を聴かないため、これ自体が良い印象ではない。
ただ、ジョナサン・リッチマンの外見をみると、どうもその後展開されるロンドン・パンクのファッション事情とはかなり状況が違うようだ。
ジョナサン・リッチマン&ザ・モダン・ラヴァーズ(紙ジャケット仕様)
ちなみにこれは、ジョナサン・リッチマンが自分でモダン・ラヴァーズ名義で過去のレコーディングを集めた作品らしい。
むむ!ややこしい・・・
まあそのあたりのややこしい事情はともかく、実際に音源を聞いてみよう。
いかがだろうか。ジョナサン・リッチマンの篭った活舌のいまいちなヴォーカルが特徴的なサウンド、というのが第一印象ではないかと思う。全編ずっと同じテンポで同じリフを繰り返しているので、4分という長さが結構ボリューミーに感じるのではないだろうか。その中で、キーボードとドラムがかなりいい味を出していると思う。という事で調べてみると、結局トーキングヘッズとカーズに行きつくという、なんとも面白いバンドの歴史を垣間見る事が出来る訳である。