これはエルビス・コステロが1980年に発表した通算4枚目のアルバムで、Wikipediaによれば、レイ・チャールズへのコステロによる「人種差別的発言」を発端とするスキャンダルな事件をきっかけに本作が製作されたと言われているようだ。このアルバムは「モータウンへのオマージュ」というコンセプトを持っているらしい。特筆すべきは曲数で、1枚のLP版に20曲が散りばめられている。CDの時代ならともかく、1枚のレコード盤に20曲も収録すれば、音質にも影響が出ていたんじゃないかと思うくらいにクリアな音ではなかったが、実際には古いモータウンレコードのような雰囲気を醸し出そうと音をクリアにせず、エコー(リバーブ)過多で、ベースラインも低音過多を極め込んでいたのかもしれない。また殆どの曲が3分程度であるため、収録時間は20曲全部合わせても60分のカセットテープにダビング出来たような。いや、1曲あぶれたかもしれないが・・・いまどきカセットテープは結構高い。需要がないから仕方がないか!
maxell 録音用 カセットテープ ノーマル/Type1 60分 4巻 UR-60L 4P
今やカセットテープで聞くこと自体があまりメジャーな事ではなくなってしまったが、音の作りは当時の最高品質というよりはちょっと昔のもの(たぶんエルヴィス・コステロ本人が思春期頃に影響を受けた音楽)を再現したかったのではないか。結果的にカセットテープで聞くのが似合うレコードとなったんじゃないかと思うのだ。
↓↓下のリンクは20曲プラスボーナストラック10曲入り!
Get Happy!!
しかし、こちらのボーナストラックは本編を超える29曲入りで、なんと総数49曲だ。
Get Happy (Bonus CD) (Dlx)
どうする?値段もかなり違う・・・これが悩ましい現実だ。良い時代になったとはいえ、マニアがお金をかけずに楽しめる時代は永遠に来ない・・・かも。
まあ、マニアが何を買うとかは置いといて、個人的嗜好で断言すれば、数あるエルヴィス・コステロのアルバムの中で、このレコードがベストアルバムである。オリジナルの20曲入りでも全然構わないので、詳しくない人は是非、こちらから聞いてもらえるといい(・・・かも)。もちろんエルヴィス・コステロはこれが全てではないが、先ずはこれが(個人的には)一番好きなアルバムであったということだ。
歴史的に名が残った曲があるかといえば決してそのような曲は挿入されていないのだが、軽快にして名曲が揃っている。もちろん、個人的嗜好であるが、R&Bバイエルといった感じだ(余談だが、バイエルは練習曲という意味ではなくて、バイエルという人が作った練習曲が有名だということらしい)。エルビス・コステロという人の特徴といってもいいような事として、殆どの曲が一聴してそれほど良いと思わない(個人的感想)。それが何度も聴いているうちに病みつきになる。そういう傾向のあるアーチストであって、このレコードも例外ではない。聴けば聴くほどクセになる。
自分はこのレコードでベースラインをコピーしまくった事を覚えている。Attractionsのベースはブルース・トーマスで、後にエルヴィスとは仲間割れするらしいけど、このアルバムにおけるベースラインは殆どの曲において、とても良い(と個人的には思う)。
エルヴィス・コステロに関して自分ははかなりの枚数、アルバムを持っている。後々それぞれのアルバムのレビューを書くかもしれないが、先ず、この一枚を挙げたい。
とりあえず曲目をアップしておこう。オリジナルに入っているのは20曲目までだ。というか、こんなアルバムをレビューするってのは作業的にどうなんだろう?なんて思うのは、実にサラリーマン的というかネットのパケット呪縛に虐げられていた人間のトラウマというか、実はそれほど好きな曲ばかりじゃないのでとか、書きあがらない際の逃げ口上を考えつつ・・・まあたぶん、いずれにしてもとてつもなく長いページになるのかもしれないとは思うけど、案外見る側の方々はストレスが少ないのかもとか(長いランディングページ見せられた挙句変な商品を買ってしまうのと比べればなんてことないか!)なんて穿った見方をしてしまう。まあ、そんな戯言がどうでもいいのか!ということでアルバムの曲を見ていこうと思う。
Contents
- 1 Love For Tender
- 2 Opportunity
- 3 The Imposter
- 4 Men Called Uncle Clowntime Is Over New Amsterdam High Fidelity
- 5 I Can’t Stand Up For Falling Down
- 6 Black & White World 5ive Gears In Reverse B Movie Motel Matches Human Touch Beaten To The Punch Temptation I Stand Accused Riot Act I Stand Accused (alternate version) So Young Girls Talk Human Touch (alternate version) Temptation (alternate version) Motel Matches (alternate take) Clowntime Is Over No. 2 B Movie (alternate version) Girls Talk (alternate version) Getting Mighty Crowded Watch Your Step (alternate version) Dr. Luther’s Assistant Ghost Train New Lace Sleeves (alternate version) Hoover Factory Just A Memory I Can’t Stand Up For Falling Down (alternate version) New Amsterdam (Olympic Studio version) Black & White World (demo) Riot Act (demo) 5ive Gears In Reverse (demo) Love For Tender (demo) Men Called Uncle (demo) King Horse (demo) Seven O’clock (demo) High Fidelity (live) Opportunity (live) The Imposter (live) 49. Don’t Look Back (live)
Love For Tender
良い意味でも悪い意味でもアルバムトップの曲はアルバムのイメージを醸し出す。この曲もそんな感じの曲だ。vevoにPVがあるってのがいい時代になったものだと思う。で、当時全然見たことないPVをあらためで視聴した感想としては、うん・・たぶんエルヴイス・コステロのルックスが好きで音楽聞いている人は非常に少ないと思うし、女性ファンも日本国内に圧倒的に少ないと思われる現実も含め、見ても見なくてもいいレベルというか。むしろ見ない方が曲のイメージは良いような気がする。曲の善し悪しとは関係ないが、この曲のベースラインは「ドシラソファファミレド」となっている。初めてのベース練習曲としても案外?いいかもしれない。
Opportunity
前の曲同様、動画検索してみるとインデアンと白人の決闘のようなモノクロヘンテコ動画と共に、この曲が流れるシュールな動画があるのだが、それを見ることに意味があるのか良くわからないのでここでは紹介しない。見たい人は自分で検索してどうぞ。まあそれ以外に特に大したものは見つけられなかったが「華氏65度の冬」という洋楽を翻訳されている方のブログページを見つけた。あと、特徴的なベースラインをコピーしている方の動画をどうぞ。
The Imposter
カンボジア難民救済コンサートでエルビスが演っていたのがこれだ。Queenの所でも書いたと思うが、このコンサートの演奏は実にカッコよく、エルビス・コステロも例外ではなかった。
この曲があまりにもカッコよくてこのアルバムを購入したというのが実際のところだ。
ただこのライブ演奏がカッコよすぎたので、実際にレコードを聴いたらそれほどカッコよくなくて、やっぱり初見というか、初聴は大事。ということで、このライブ映像を視聴した後にアルバム挿入バージョンを聴くと少しトーンが上がらないかもしれない。それをあまり好まない方は、こちらのサンプルを先に聴くと良いかも。
Secondary Modern
King Horse
Possession